目次
点数
・個人評価:9.9/10点
・オススメ度:9.8/10点
※個人評価の点数の目安
10.0~9.0:神アニメ
8.9~7.5:良アニメ
7.4~5.0:普通アニメ
4.9~3.0:微妙アニメ
2.9~0.0:クソアニメ
概要
- 2023年6月23日より劇場公開されている虹ヶ咲のアニメ(以下、アニガサキ)のOVAです。
- 上映時間はおよそ30分です。
- 主なスタッフは監督が河村智之氏、脚本が田中仁氏、キャラデザが横田拓己氏です。
- アニガサキでは本作から優木せつ菜のキャストが楠木ともり女史から林鼓子女史に変更されました。詳しい経緯はこちら
- TVアニメ1期の評価記事はこちら
- TVアニメ2期の評価記事はこちら
ネタバレと解釈を交えた内容解説
・大まかな話の内容
本作は帰国してきた歩夢と一緒に付いてきたアイラが一番のメイン…かと思いきやまさかの栞子が一番のメインでした。
大まかな内容としては、R3BIRTHのライブをやっていく中で栞子が「自身が堅いこととそれによってファンの反応に違和感を覚える」という課題に直面し、それを解決していこうという話です。
また、その横で短期留学生として虹ヶ咲学園にやってきたアイラにスクールアイドルの体験をしてもらうというストーリーでもありました。
ストーリーの構造としては、どちらかというとTVアニメ1期の1~9話に近かった印象です。
栞子編自体は2期7話でもありましたが、本作は「シン・栞子編」とも言えるような形でしょうか。
2期7話ではあくまでもスクールアイドルとしての一歩を歩んだという話だったのが、本作でスクールアイドルとガッツリ関係した課題に直面しそれを解決していく話になっていました。
なので、2期では同期のランジュとミアに比べてスクールアイドルとしての描写が弱かった栞子が本作にてスクールアイドルとしての描写が補完されたという印象です。
・アイラとその相棒について
※画像は2期のもの
栞子以外にも注目したいキャラといういえばやはりアイラ(画像右)でしょう。
本作のキーパーソンでもあり、彼女のスクールアイドル体験実習が物語のコアとも言えます。
ただ、そうは言ってもややアイラ自身の描写が少し薄かったのも否めません。
ミニライブはあっさり流されたし、もしかしたらあるかもしれないと言われていたアイラのソロ曲も結局なかったので…
とはいえ最低限以上の描写はなされていたとは思うし、なのでめちゃくちゃ薄いというわけでもなかったからそこは良かったです。
また、アイラの相棒とされる人物の名前(画像左)の名前が「ペネロペ」であることも判明しました。
彼女はスクールアイドル志望ではないのでロンドンに残ったままですが、彼女は侑のようにアイラのスクールアイドル活動を支える存在になるでしょう。
アイラとペネロペの2人は終盤で自分の国でスクールアイドル活動を協力して始めることにもなったので、劇場版のどこかでの再登場も期待したいところです。
本作でもう出番を終わらせてしまうにはあまりにももったいないので…
・歩夢について
2期で短期留学に行き本作で帰ってきた歩夢ですが、メインではなく陰の立役者という形での活躍になっていた印象です。
アニメにおける彼女の始まりの場であるダイバーシティ東京プラザのあの階段が物語に深く関わっていた形です。
1期では背中を押してもらった側で2期から背中を押す側になる片鱗を見せてきたのが、本作で本格的に背中を押す側になったということで歩夢の成長も伺えました。
・栞子について
本作のメインキャラでもある栞子ですが、前述にもある通り2期では足りなかった「スクールアイドルとしての三船栞子」の描写がきっちり補完された形です(どういう形での補完かは前述にもあるので割愛)。
予告映像にもあった「アイラは栞子に似ている」という発言ですが、これは「真面目だし、1人で頑張ってたらいつか夢を諦めてしまうタイプ」という意味であるようです。
また、ライブ直前に"決意の光"を発するかのように髪型をポニーテールにしたところはかなり見所でした。
・優木せつ菜の声について
概要でも触れた通り、本作からアニガサキにおいては優木せつ菜役が林鼓子女史に変更されましたが、こちらについては何の違和感もなくちゃんと優木せつ菜というキャラクターの味が出ていました。
もう演技自体はスクフェス2にて確認できるので今更ではありますが、改めて安心感が増したところでしょうか。
ただ、本作では菜々の登場はなかったためこちらの演技は見られなかったです。
まぁ、アニガサキにおいては「菜々=せつ菜」であることが2期にて多くの人々に認知されているし、生徒会長も栞子に継いでもらっているので今更菜々を出す理由もなさそうだけど…
※菜々の演技は後ににじよん2期2話で見れたが、こちらも素晴らしいものでした。
・新曲について
新曲はOPとしてR3BIRTHの「Feel Alive」、挿入歌としてニジガクの「Go Our Way!」、EDとして「SINGING,DREAMING,NOW!」、エンドロール曲として「Wawawa☆What's up!」の4曲がありました。(EDとエンドロールは別物)
「Feel Alive」については2期ではなかったR3BIRTHの新曲が満を持して披露…したのは良いのですが残念ながらライブシーンはない形になっていました。ジャケ写や劇中にて来ていた衣装も、「MONSTER GIRLS」のものなので新規ではありません。
なお、曲自体はどこか寂しげな雰囲気も感じれつつ、R3BIRTHらしくラップ調でもあったので素晴らしいものになっていました。
どこか近未来チックなMVも魅力的だし、合間に挿入される日常生活っぽいところも良きです。
また、何かとニジガクにとって縁の深いダイバーシティ東京プラザのあの階段で披露されていたりもしました。
「SINGING,DREAMING,NOW!」はED曲なのですが、EDの映像がまさかの実写を使用していたりとなかなか新しいものになっていました。
曲の雰囲気もAqoursの「Next SPARKLING!!」にどこか似てますが、これが「Aqoursの一つの終着点」を表してるとすればニジガクの方は「まだまだ私たちは進んでいくよ」というのを表しているようで明確な違いはある印象です。
「Wawawa☆What's up!」はエンドロールにて流れていた曲で、ここで2月頃にやっていた「『次はあなたの番!』あなたの頑張ったこと&頑張りたいこと報告会」にて募集した視聴者メッセージを公開していました。
私も投稿したのですが、残念ながら確認できませんでした。クレジットにはもしかしたら名前載ってると思うけど、如何せん文字が流れるのが早いかつ小さいので見つけられなかったです。
曲自体も真の閉幕曲としてかなり良く、しかも楽しい曲調なのでまだまだ物語は終わらないというのも感じれて好きです。
※2回目でエンドロールに私の名前があることを確認出来ました。
「浅海明日」名義ですので興味があれば探してみてネ
・小ネタについて
本作でもアニガサキ恒例である他媒体小ネタも充実しています。
私が確認できたものをここに記しておきます。
・「Feel Alive」が流れている時にスクールアイドルフェスティバル(作中イベント)のステージが登場(第1回、第2回どちらも出ている)。
また、ニジガク1stライブ(アニメ世界のもの)やスクフェス(作中イベント)の歩夢のステージ、2期のA・ZU・NAとDiverDiva、QU4RTZのステージが出ていた。
他にも色々あったけど数多いしコマ送りも早いので全ては把握出来ず…。
・エマの紅茶缶
・2期にもあったミアと栞子のアクリルキーホルダー(ランジュのは画角の都合なのか映っていなかった)。
・「Go Our Way!」のMV内にてランジュがエナジードリンクを飲んでいたのだが、そのエナドリの名前が「MONSTER GIRLS」(モンスターエナジーという実在するエナドリを元に曲ネタを入れたか)。
・彼方さんの作ったパフェは恐らくパフェ企画で募ったものが元ネタかも。(定かではないので情報求む)
ここまでならまぁいつものニジガク節だなと思いますが、なんと本作ではまさかの歴代のネタも入れて来ていました。
μ'sのUTX学園(ライバルのA-RISEの学校)と神田明神(μ'sの練習場所)と男坂(μ'sがランニング練習をしてた場所)、
Aqoursの舞台である沼津のグッズ(寿太郎みかんジュース、のっぽパンなど)、
Liella!の舞台である原宿を散策&クレープ(恐らくすみれが食べていたもの)
蓮ノ空の舞台である金沢市にある、金沢駅の鼓門の写真
という感じで30分という短い時間にもかかわらず歴代ネタを入れてきたのはなかなかすごいです。
蓮ノ空に触れていたことは2回目を見たときにやっと確認できたけど、まさか蓮ノ空にまで手を付けていたとは…
ニジガク以外をあまり知らない人からすると何気ないシーンかもしれませんが、他シリーズが好き又は他シリーズから入ったという人からすると嬉しいサプライズでしょう。
総評
栞子をメインとした話を主軸にしつつ、その上で新曲も小ネタも詰め込まれているという30分でもかなり充実した作品となっていました。
初期の頃はスクスタのリリース延期によって出番が先送りにされ、いざスクスタに出てもあまり印象が良くない立ち位置であり、後にアニメ2期で出て印象こそかなり良くなったものの、描写が同期のランジュとミアに比べたらやや薄く、輝ける箇所もビジュアルと声と曲とにじよんアニメでの出席率くらいという感じで結構厳しい道のりを辿ってきた三船栞子ですが、本OVAによってようやく一点の曇りもない輝きを手にしました。
ポニーテールになってライブを始める展開も、彼女の持ち曲である「決意の光」の歌詞を借りるなら、「髪飾り結び直して 翡翠色の光放つ」という展開になっていたため、補完編としても一つの作品としても最高の作品となっています。
ただ、尺の関係かR3BIRTH曲はあったけどMVがなかったことと、アイラ周りの描写がそこまで濃くなかったことは少し気になりました。
尺が30分しかなかった中でここまでの作品にしてくれたのはホントにすごかったのですが、やはり尺の短さによる弊害というのは免れなかった印象でしょうか。
特にアイラ周りの話なんかも、取ってつけた印象が拭え切れなかったのは減点要素になるとは感じました。
まぁ、前述でも語りましたが、アイラとペネロペは正直ここで終わらせるのは非常にもったいないキャラではあるので彼女らの先の話は劇場版で来ることを期待したいです。
見るのはアリ?ナシ?
最高クラスに見ることをオススメします。
アニメ1期2期ともに全話見たって人ならもちろん、ニジガクやその他ラブライブシリーズが好きな人でもかなり満足いく作品だと思います。
まとめ
以上です。
「アニガサキだから大丈夫」という期待や「30分だし大丈夫かな」という不安を交えてようやく公開された「NEXT SKY」ですが、蓋を開けてみれば不安は杞憂に終わったし期待以上のものだと思ったため個人的には非常に満足行く出来になっていました。
また、本作の最後の方で「スクールアイドルグランプリ」という謎の匂わせがありましたが、こちらは更なる続編である劇場版の「完結編 第1章」で触れていくようです。
劇場版1作目はまさかの作画が変更されるという驚きの展開になりましたが、ストーリーに関しては弘法も筆の誤りみたいなことがない限りは絶対大丈夫でしょうし、わざわざここで作画を変えたのも「この作画でなければできない何かをする」可能性があるというところなので、PV動画のコメ欄が動物園になっていて多少の不安もなくはないですが期待して待ちたいです。
投稿日:2023/6/25
改訂日:2024/4/30